8 野馬分鬣と起承転結
 では、あなたがいつも練習している「左野馬分鬣」の動作を動作を「起」「承」「転」「結」に区切って解説してみましょう。

動作は、ま ず敵の攻撃を感じて身構えることから始まります。右手は上、左手は下になります。この部分はよく「両手にボールを抱えるようにする」と教えられます。
 「気」は右手から出て行き左手で抱え込むようにイメージします。
 武術的に見ると、攻撃してくる敵の拳を右手で受け流す、または、左手を敵につかまれたとき、体を右に回すことで敵に対して自分が有利に立つ、という意味をもつ動作です。
 蛇は、右手からいったん出て行って左回りに帰ってきます。(イラスト1・2・3)
             
イラスト3 イラスト2 イラスト1
この部分では、左足を一歩前方に出します。体重は右足にしっかり乗ります。(イラスト4) 「気」は足の裏まで降ります。
 
武術的には、左足を相手の右足の外側にぴったりつけて。相手の攻撃を制する意味があります。蛇は右足に降りていきます。
イラスト4
 この部分は、非常に大切なポイントです。左足に絡まるように蛇が上がってきます。蛇は背中を回り右ひじまで流れます。(イラスト5)
 武術的には、左足を敵の足の外側に置き、攻撃の準備をします。ここまでで蓄勁(攻撃のための力を貯めること)が完了です。

イラスト5
この部分は動作の仕上げを意味します。右肩にチャージされた力はひじ、手首と流れ、手の先から、少しだけ空間に流れ出させ、次の動きに備えます。(イラスト6・7)
 こうして動作はひとつひとつはっきり終了させなければいけません。
イラスト7 イラスト6