6 鹿に学ぶ足

 鹿に学ぶべき二番目のポイントは、足です。鹿はぴょんぴょん飛び跳ね、軽妙に動き回り、疲れることがありません。鹿が虎などの剛猛な外敵から身を守る唯一の武器は、鋼のような疲れ知らずの足なのです。

 太極拳の学習者は、その鹿のような足どりを十分に学んでみるべきです。もちろん太極拳では、ぴょんぴょん飛び跳ねるのではなく、ゆっくり練習するわけなのですが、そうして鍛えられた足は、とても素早い反射的な運動にも活用できるようになるのです。

 足の運動とは、主に股関節と膝の屈伸運動です。そして、俊敏で力強い足の運動を作り上げる秘訣は、その両足の屈伸運動を腰の回転運動や微妙なひねりと連結することです。そのために、腰の周囲の数種類の筋肉の収縮と弛緩が必要です。