陽の章 五禽戯


17 五禽と五行   

 

 ちょっと読み飛ばしたくなるような「五行の理論」が続きましたが、では、五禽戯に当てはめると、どうなるのか説明しましょう。
 
 1 木は鹿

 まず、「木」に対応するのは、「鹿」です。牡鹿には角がありますが、鹿の角は木の枝のようです。「木」のシンボルカラーは青(緑)で、これは樹木の葉の色です。

 昔は、青と緑の本質的な違いがなかったのでしょう。「樹木が青々と茂っている」と表現しますね。現代でも信号の「青」は緑がかった青ですね。

 2 火は猿

 「火」に対応するのは、「猿」です。「火」のシンボルカラーは赤、猿の顔は、赤い、お尻も赤い、「赤い色は心の色」と覚えてください。

 これは決して冗談ではありません。赤ら顔の人は、しばしば血圧が高かったり、心臓に問題があることが多いのです。

 3 土は熊

 「土」に対応するのは、「熊」です。土のシンボルカラーは「黄色」です。胃薬のコマーシャルに出てくる胃のイラストや模型は黄色い色をしています。

 漢方には「熊の胆(い)」という胃の薬(肝臓にも効果がある)がありますが、「熊」の動作は肝の興奮をを沈め 、脾胃(ひい:消化機能全体)を丈夫にする、と覚えてください。

 4 金は虎

 「金」に対応するのは、「虎」です。「金」のシンボルカラーは「白」で、肺に対応します。「虎」は黄色と白の縞模様を思い浮かべますね。胸や腹部の毛は純白です。

 5 水は鳥

 「水」に対応するのは、「鳥」です。鳥の羽ばたく動作、腰をかがめる動作が腎臓の働き(腎機能)を高めるのです。「鳥」の代表は鶴です。鶴の尻尾の羽根の色は黒です。

 ただし、この五禽の五行への対応は、絶対的なものではなく、五禽戯を教える気功の老師によって、微妙に対応が変わっています。しかし、はじめにいろいろな解釈の対応を見てしまうとわけがわからなくなりますから、まず私の説明する通りに覚えてください。
 

 
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