太極拳入門

 入門とは

 「門前の小僧習わぬ経を読む」ということわざは、一般の解釈は、「お寺の前の良い環境の中では、読経の声を毎日聞いているために、知らず知らず子供でもお経をそらんじてしまう。環境は大切なんだなあ」という意味になるのでしょうけれど、わたしは、別の解釈をしています。

 「どんな道でも、その道を進んでいこうと思ったら、まず「入門」しなければいけないのに、あの子供(修行者)は、ただ形ばかりを見よう見まねで覚えてしまって目くらめっぽうに修行の真似事をしている、ああ残念!」という意味ではないだろうかと・・・つまり、門前の小僧とは、まだ正しい道を理解していない修行者ということになります。

 「私は門外漢でして・・・」という言い方も、同様ですが、「自分はこの分野に対しては浅薄な知識しか持ち合わせていません」という意味なのです。

 何かを学ぶ場合は、必ず門をくぐる必要があるのです。

 では門をくぐる、「入門」とはとはどういう意味でしょうか。誰かの先生にパイスーしたり、どこかの団体に入会することでしょうか!?

 そうではありません。ある道を進もうとする人が、その道を進むために必要な最低限の知識を与えられるということです。もしもそれが一人の先生でも、団体でもかまいません。

 確かに正しい知識を持った「老師」の弟子になるのが一番無難でしょう。

 では、このインターネットではどうでしょう?太極拳入門のためにどれだけのことができるでしょうか?

 私が考えるに、まったくのゼロからの志願者に対しては、この太極拳入門を読むだけでは、正直、むづかしいといわざるを得ません。しかし、ある年月、太極拳の練習をしていた人で、「大切なポイントを自分はまだつかんでいない」と気づいた人に、確かな「気づき」と、正しい門をくぐるためのHOW  TOが与えられたらいいと考えます。

 そのまず最初に姿勢の要求があります。太極拳を学ぶとき、姿勢に対する要求は重要です。厳しいことを言えば、太極拳の套路をいくら知っていても、見よう見まねで演武できても、姿勢の要求が満たされていなければ、その人は、太極拳の入門をまだ果たしていないといえます。

 私もそうして門をくぐって、一歩一歩育てられてきました。今、あなたが太極拳の門を正しくくぐって成長していけるように、必要最低限の知識をまとめて、このテキストを作成しようとしています。
 
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