エピソード1
 Nさんのメールが私のパソコンに届いたのは、平成四年の夏でした・・・・それからもう、二十数年たちましたが、その内容をこの本のプロローグに発表させていただくことにしました。それは次のような内容でした。
 「太極拳の最小単位は8である」という、先生の理論について、少し私の感想を述べさせていただきたいと思います。私は現在イギリスで楊式太極拳の古式(楊班猴老師の型)を学んでいますが、先生の理論は、私が現在師事している師匠の教えと共通するものがありまして、大変興味深く読ませていただきました。私の師は、套路のほんのさわりの部分において「あえてその動きを」誇張して見せてくれました。「これがすべてだから」とも言っておりました。対人、つまり敵との攻防戦としての8については「単推手(二人で片手を触れ合わせて円を描きながら行う練習法)」でそれを感じさせてくれた次第であります。
・・・8の話、最初に読ませていただいた時の私の感想は、
「こんなこと書いていいのかな」でした・・・

 私は平成1年の春ごろから『オーガニック・ツリー・メソッド(現在は「真北斐図の太極拳HAO!」)』というホームページを開いて、気功や太極拳に関する、私の理解を発表する場にしていました。この本に収めた内容は、すでにそのころから発表していたのですが、「太極拳の最小単位は8である」という内容の文章もその中にありました。Nさんのメールはその内容に対する返事でした。
 そうです、「8の理解」は「秘儀」といっていいものです。Nさんの師匠が明かしたように「これがすべて」なのです。
Nさんには、すぐに返信メールを送りました。Nさんからは二度ほど、ホームページの掲示板に、当たりさわりのない内容の書き込みがあって、その後、返事が来ることはありませんでした。

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