第一章
 10 肩幅に開くとは
 
 
 太極拳は本来、一つの教えであるはずです。しかし、現実的に言えば、多くの流派、多くの教室、教える先生によって、太極拳の形は多様で、太極拳で用いる言葉の意味もまちまちであるといわざるを得ません。

 たとえば、「足を肩幅に開きましょう」という先生の指示で、生徒が足を開いたところを見ると、足の開き方はまちまちです。

 ある人は、両足の内側に「肩幅分の開き」を撮って立ちます。またある人は両足の外側が肩幅分の開きに合うように立ちます。

 さあ、どちらが正しいでしょう?

 昔からの教えは、両肩の「肩井穴(けんせいけつ)」と両足の裏の「湧泉穴(ゆうせんけつ)」を垂直につないだ立ち方なのです。厳格に指導する老師は、そのようにしっかりと定義して教えます。

 そこまで厳格に定義しなくても、両足の間に「一足分」の間隔を取って立つ、と考えてもいいでしょう。このほうが、より実際的でしょう。

 私たちは、様々な太極拳の違いを考えるよりも、もっとその奥にある共通の法則について理解していくべきではないでしょうか。

 
   
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