第一章
 13 静のトレーニング

  

 「太極」の状態は「太極とう」で表されます。一般的にはイラストDのような立ち方を、練習の最初に数分から数十分、練習するのです。

 「太極とう」は別名、「三円式たんとう功」と呼ばれます。そう呼ばれる理由は、このたんとう功がこのイラストDのように天を表す円と、地を表す円、そしてその二つをまとめ上げる大きな円の三つの円で表現されるためです。

 さらに樹を抱えて立つという意味の「抱樹とう」、または球を抱える「抱球とう」という風に異なる名称で呼ばれることもあります。

 その練習を一定期間休みなく練習することで、「太極」を理論ではなく、自分の身体を通して理解することができるのです。

 この実践がなくて、太極拳の套路を学んでも、内容のない表面的な理解しか得られません。ですから「太極とう」は太極拳のとても重要な練習方法です。古い時代の厳格な老師は、最初の三年間は太極拳志願者に套路を教えず、毎日一定の時間、このたんとう功だけを練習させたといいます。

 すべての流派はこの点に関しては統一見解を取ります。

 「氷山の一角」という言葉がありますが、氷山は、表面に出ている部分はただ一割の大きさで、水中に9割が隠れています。太極拳套路を学び、套路の動作を練習することはただ「一割」ほどの意味しかありません。大切なのは「九割」の要素を持つ「静のトレーニング」を正しく学び、日々トレーニングすることなのです。
 (この実践法は『誰にも聞けない太極拳の「なぜ?」』に詳しく説明しています。)
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