第一章
 19 「小周天」

  

 太極拳を深く学びたいと思う人は、「静のトレーニング」站椿功を日々実践していったほうがいいでしょう。その発展的実践法として、「小周天」をお勧めしたいと思います。この方法は、站椿功の発展として、立って行うこともでき、また座禅として行うこともできます。

 小周天とは何か?「周天」とは「天体の運行」を意味しています。

 一般に私たちの住む地球も含めて、太陽や月や衛星のすべては「大宇宙」であるとととらえ、人体は、それに対して「小宇宙」であると古くから教えられています。

 占星術は大宇宙、つまり星の運行に関する学問です(ちなみに曜日はこの占星術の教えにルーツがあるようです。日、月は太陽と月、そして火(火星)、水(水星)、木(木星)、金(金星)、土(土星)、これが七曜です)。

 古くからの神秘思想は、大宇宙の星々が秩序正しく運航しているように、体内にも太陽や月や惑星に対応する場所があると教えています。小周天はそうした内宇宙にシンプルに「気」を巡らすことを実践するものです。

 小周天は、「督脈」と「任脈」という経絡に沿って「気」を巡らせていきます。「督脈」とは尾骨の先の「長強(ちょうきょう)」というツボから出発します。督脈の終点は上顎の歯の付け根、「齦公(ぎんこう)」です。

 「任脈」は下あごの歯の付け根、「承少」(しょうしょう)から、肛門と性器の間の「会陰(えいん)」までです。


 「小周天」実践法


1 一般には、尾骨の先の「長強」に注意を集中して「気」のエネルギーを集め、督脈を上昇させ、頭頂(百会)でしばらく動かすことをやめます。その間この「百会」に注意を向け続けます。これを「温養」と言います。

2 次に、頭頂から額を経て上顎の歯の付け根まで「気」を動かします。口の中は任脈と督脈がつながっていません。この二つのルートをつなげるために「舌祇上顎(ぜっしじょうがく)」します。つまり、舌の先を上顎の歯の付け根につけるのです。これを「上鵲橋(かみじゃっきょう)と言います。

3 舌の根元の下あごの歯の付け根「小承(しょうしょう)」から、任脈の最後の「会陰」まで「気」を導きます。ここは、また任脈と督脈が断線している部分です。提肛することでこの部分がつながります。これが下鵲橋」です。

4 「会陰」をすぼめた状態を維持して頭頂「百会」と同様しばらくその状態を維持します。。この部分は根元センター(ムラダーラ・チャクラ」です。

5 こうしてまた「長強」に「気」を導き、これを繰り返すのです。

   
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