9 手のひらに目がある



  

 私たちが日常生活の中で目のはたらきに頼り切っていることは、否定できないでしょう。目の見えない生活なんか想像することもできませんね。しかし太極拳を学んでいくときには、その目のはたらきを「弱める」必要があります。

 これから説明する実践では、目は開いていますが、物を見ません。いえ、見てはいるのですが、見ようとするのではなく、なんとなく見えているだけにするのです。そのような目を「ソフトアイ」と言います。

 そしてその代わりに、手のひらの「目」を開くのです。

 「手」の持つ働きはとても重要です。「物を持つ」ことによって、猿が人間に進化したのだと教えられています。

 しかし「持つ以外の手の働き」についてあなたは考えたことがあるでしょうか?

 そうです、暗がりであたりが見えない時には「手探り」しますね。「探る」というのは、「持つ以外の手の働き」の一つです。そして、何かに触ると、その感触でそれが柱なのか、壁なのかわかりますね。

 「手探り」すること、「触る」こと、「バランスをとる」ことは、てのひらの「目」のはたらきによるのです。太極拳を学んでいくためには、このような手の働きに注目していく必要があるのです。 


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