21 武術と舞術





 太極拳や、その他多くの武術は、実践者の体内に強力な「気」を生じさせます。それは、武術のルーツが、「気の実践法」であったためです。

 太古の平和な時代には、格闘術としての武術は存在しなかったでしょう。ただ、生命エネルギーを活性化するための「気の実践法」があり、それに熟達した人々がいたのです。彼等は、意念と手足の特殊な動かし方によって「気」のエネルギーを集め、その深い陶酔の状態をひとり楽しみました。

 そして、その同じ動作を親しい人たちの前で見せたとき、人々はそれを見て楽しみ、それは「ダンス(舞)」と呼ばれました。

 やがて、平和が失われ、不安定な時代になり、「気」の実践法を体得した達人が、自己の身を守るために長い修練によって身につけた手足の動きと、「気」の力を利用しました。そしてそれが、いわゆる「武術」になったのです。
 
 なぜなら、「気の実践法」によって鍛え上げた体は、大樹のように静かになることも、野獣のようにパワフルになることもできるからです。武術のルーツとダンスのルーツは「気の実践法」であるというわけです。

 また、ヒーリングの技術も「気の実践法」によって、獲得することができます。東洋医学によると、あらゆる病気は「気」の病です。体内の生命エネルギーの失調です。ですから「気の実践法」によって、常人の何倍も強い「気」のパワーを持っている人は、有り余るその「気」のパワーを、手から病気の人に放出することによって、その病気を治療することができるのです。そうした技術者は「ヒーラー」と呼ばれました。

 さらに深い陶酔の境地を体験するうちに、不思議な霊的な感性が目覚めてくるのです。宗教の教祖のもつ「人間を見通す力」、「時代を超越し予見する力」は、長い「気」の実践、「コズミックダンス」の実践によって獲得されたものなのです。
   
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