3 はじめにコズミックダンスがあった 「コズミックダンス」という名称は、人体の生命エネルギーを活性化し、精妙化するための運動を意味します。 インドでは「ヨガ」と呼ばれ、それを実践する人はヨギと呼ばれました。中国では「仙術」と呼ばれ、それを実践する人は仙人と呼ばれました。または「道(タオ)」と呼ばれ、宇宙法則に対する理解があり、その実践者は道士(タオイスト)と呼ばれました。 現在普及している「気功」はそうした「仙術」または「タオ」の実践法の、健康法としての面を簡易化したものです。
それらはすべて、ひとつの共通点をもっています。それは、一般には見たり感じたりすることのできない生命エネルギー、つまり「気」についての深い理解があるということです。 私は太極拳や、その他多くの武術もコズミックダンスであると考えます。武術が、コズミック・ダンスとどんな関係があるのでしょうか。それはつまり、武術のルーツがコズミック・ダンスであるということです。 しかしやがて、平和が失われ、不安定な時代になり、そうしたコズミックダンスの達人が、自己の身を守るためにコズミックダンスの動きを利用しました。そしてそれが武術になったのです。なぜなら、コズミックダンスによって生命エネルギーを体内にみなぎらせて行動すると、肉体はしなやかになり、動作は、野獣のようにパワフルになるからです。武術のルーツは「舞術」であるというわけです。 また、ヒーリングの技術もコズミックダンスの実践によって、獲得することができます。病気とは「気」の病です。体内の生命エネルギーの失調です。ですからコズミックダンスの実践によって、常人の何倍も強い「気」のパワーを持っている人は、有り余るその気のパワーを、手から病気の人に放出することによって、その病気を治療することができるのです。そうした技術者はヒーラーと呼ばれました。 私は、これまで、太極拳と、気功と、クンダリーニ・ヨガを学び、それを追求し、また他人に指導していく過程で、さまざまな異なる実践法のうちにある共通項を整理してひとつの体系にまとめあげる必要性を感じました。 |
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