誰にも聞けない太極拳の疑問


第十章 根本的な理解

 

4 呼吸の「起」「承」「転」「結」


 「天地の呼吸」は「気」を体内に取り入れ、めぐらし、強化する呼吸法です。呼吸は単純にみれば、「吸って」「吐く」というプロセスを繰り返していると捉えますね。

しかし「気」を体内に巡らす「天地の呼吸」を行うには、呼吸を、「起」「承」「転」「結」の四つに分けて理解しなければいけません。
 
 また、間違ってはいけないのは、「気」を巡らすのであって、空気を動かすわけではないということです。

 「起」は「舌祇上顎」して鼻から息を吸い込みます。この時、息は頭部に集まります(当然ですが、胸郭が広がり空気は胸部(肺)に入ります
)。

「承」は「含胸抜背」で保息して、「気」を腹部に下ろします(腹部が大きくなる。空気は肺に収まったまま)。

「転」は「収腹提肛」し、このとき「気」は腰(命門)に集められます(腰のそりがなくなる)。

「結」で「虚領頂勁」して息を吐きながら、「気」が手足を動かす力になります。そしてまた息を吸って、このプロセスを繰り返します。
 
 「イチ、あたま
」、「ニ、おなか」、「サン、こし」、「ヨン、て、」と心の中で号令をかけて練習してみてください。
 

結→起


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