3  鹿に何を学ぶ

 昔の仙人(道士・気功の修行者)は、ぴょんぴょんとびはね、鹿を精力の強い動物とみなしていました。そして「私もあの鹿のように強くなりたいものだ」と考えたのでしょう。そして、鹿のどこにその秘訣が隠されているか、鹿の生態を仔細に観察しました。

 その結果、鹿は四六時中、絶えずしっぽっを動かしているのだということを発見しました。鹿の尻尾は、まるで車のテールランプのようです。尻尾の動きでいつも、周囲の仲間にメッセージを送っているのです。仙人は、鹿の精力の強さは、どうやら、その動きにあるようだと考えました。そして、その鹿のしぐさを真似たわけです。

 鹿は督脈の通りが良い動物であるとされています。督脈とは、尾骨の先から背骨にそって後頭部を通り、上顎部まで通っています。

 性腺に蓄えられた精力はこの督脈にそって上昇し、頭部に生えている角に流れるのだと考えました。したがって鹿の角には強い性エネルギーが蓄えられており、それが精力剤になると考えたのです。

 しかし、人間には尻尾はありません。ではどうやって、鹿に学べばいいのでしょうか?
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