はじめに

  

 この連載を読みはじめたあなたは、もうすでに「簡化24式太極拳」を学んで、何年間か練習している人かもしれません。それとも、もう、「簡化太極拳」をとっくに「卒業」して別の太極拳套路、たとえば、48式太極拳という長い套路や、伝統拳の「楊式太極拳」や「陳式太極拳」を学び始めているかもしれません。

 「套路」とは、いくつかの動作をつなげて創られてひとまとまりになったものです。簡化二十四式なら、24の動作をつなげて、「簡化24式」という「套路」が出来上がっています。ほとんどの套路は「予備勢」で始まり「収勢」で終わります。

 ひとことで「太極拳」といっても、学んでいる人が迷ってしまうほど、異なったタイプの太極拳の多様な套路が存在します。上達したいという意欲を持つ人に多いのですが、一つの「套路」を学び終わると、そのようなさまざまなタイプの太極拳に目移りがして、一つの「套路」をずっと練習するよりも、別の「套路」を学び始めてしまうのです。

 でも、せっかく最初に学んだ24式太極拳を練習しないで別の套路を覚えることを追及しても、それで太極拳が上達することはありません。複雑な套路を学べば学ぶほど、ただ形を覚えただけで、深めることはできず、自分が本当に満足することはできないでしょう。

 さあ、あなたももう一度、あなたが最初に学んだ「簡化24式太極拳」を、もう一度最初から学び直してみませんか。

 「え?簡化太極拳ってこんなにすばらしい「套路」だったのか!とあなたはきっと驚かれるでしょう。



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