謎解き太極拳

 太極拳には多くの流派があり、多くの達人が、独自の風格の太極拳を後世に伝えています。

 六大流派(陳式・楊式・呉式・孫式・武式・和式)の伝統拳に対して中国政府が制定した「制定拳(24式・48式・64式・88式)」という太極拳の套路もあり、さらに伝統拳の競技用規定套路(つまり、大会用の太極拳套路です)もありで、学ぶ人は、本当にどれを選択すればいいのか迷ってしまいます。

 熱意のある人ほど、多くの套路を学んで、「迷い道」にはまってしまいます。

 太極拳がいっぱいあるわけではないんです。

 どんな套路を学んだ人も、新しい套路を学ぶ必要はなく、あなたの知っている套路で、理解を深めていけばいいんです。

 そのために、「ワンパターン」の理解が必要です。

 何がワンパターンなのか、それが「起承転結」です。
 
 この「中級簡化太極拳テキスト」では、一般に普及していない表現を用いてそれぞれの套路を説明していきますが、それは決して私の独自の「創作」ではありません。

 一般に広まっていないだけです。「太極拳」を新しく作り出すことはできません。

 このパターンで太極拳を理解しようとする人は、まず一つの勢から始めるのがいいでしょう。本当は「予備勢」から理解していきたいところですが、「予備勢」は難しいと思います。一番ふさわしいのが「白鶴亮翅」です。この勢を理解した後で「手揮琵琶」を解いていってください。

 すると、まるで応用問題を解くように、「手揮琵琶」の動作を理解することができるはずです。

 これが「謎解き太極拳」の始まりです。

 
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