第一章
  24  予備勢 第二段階
 
 
 予備勢は「開歩」、つまり、ただ足を横に開くだけの勢です。一般にあまり重視されず、足をさっと開いてすぐに次の「起勢」に移る人が多いのですが、予備勢の足を横に開く動作の中に太極拳技法の見過ごせない大切な「力」の素が隠れているのです。

 しなくてはいけません。この状態でしばらく立ってみましょう。この部分が「起」、つまり「動作の始まり」です。
 次に「承」で左足のかかとを浮かせ、動作を継続していきます。大切なポイントは左足を大きく持ち上げないことです。右足にしっかり体重を移し、「収腹提肛」して左足のかかとだけをほんの数センチ浮かします。この部分でもそのまましばらく立ってみてください。まず、理解するためにその状態を3分間保ってみてください。周囲の人にはあなたの努力は見えません。
 それから「収腹提肛」を保って、左足を持ち上げますが、この動作は間違いやすいところです。大きく持ち上げません(イラスト5参照)。正しいのは、足の裏のかかとがが床から離れ、つま先がほんの少し持ち上がるだけです。左足のつま先が、右足の内くるぶしを越えないくらい持ち上がるのが、正しいのです。
 
 
     
イラスト4
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