4 気の実践法1「陰陽の腕の站椿功」


 こうして立つエクササイズは「站椿功」と呼ばれます。太極拳の本質は「静止状態」にあります。どんなに才能のある人でも、ただ太極拳の動作を型どおりに通して、動くことだけを練習するなら、決して深い太極拳の境地を体得することも、功夫(かんふー)を得ることもできません。

 1分間ほどこの手の形のまま立つと、手のひらは何か不思議な「しびれ」「暖かさ」「圧力感」などの感覚が感じてきたのではありませんか?それは手の平に「気」が集まってきた証拠です。
 
 「え、これが『気』だって!?ただ手に血液が集まって、血管が膨張しているだけじゃないのか」と疑わないでください。このような感覚を「無視」すれば、決して「気」を理解することはできないでしょう。

 さて、1分経ちました。では次の手の形をとりましょう。まず、「陽の腕」の形を緩めてダランと垂らします。
それから両手の親指をほんの少し尺骨側に引き上げるようにします。すると、両肘が曲がり、両脇がやや開きます。この腕の形が「陰の腕」です(イラスト2・2’)。やはりこの腕の状態でも数分「站椿」してみてください。
 
 この二つの姿勢を合わせれば、2分です。できれば、それを2ラウンドから3ラウンドほど行いましょう。このエクササイズは一回で終わらせないで、できれば毎日続ければいいでしょう。


 

       
 イラスト1  イラスト1’  イラスト2  イラスト2’
[BACK][TOP] [HOME] [NEXT]