3 陰陽の腕


 「陰掌」・「陽掌」という名称は気功・太極拳実践者の間で知られています。「陰掌」とは手のひらが地面に向いた手の形を言います。「陽掌」とは手のひらが天に向いた形です。陰陽理論で、天が「陽」、地が「陰」と表現されるので、このような手の名前があるのですが、この概念は、私が思うに、「気功」としては意味を持ちますが、太極拳の理解にはあまり有益とは思えません。

 これから紹介する「陰の腕」・「陽の腕」という呼び方は、私の独断的な名称で、私の教室で生徒に教えていますが、まだ現在のところ一般的ではありません。これまで長く太極拳を学んだ人も、初めて聞く名称だろうと思います。

 さあ、イラスト1・1’を見てください。この手の形は、手のひらが地面に向いていますから一般には「陰掌」と呼ばれますが、これを私は「陽の腕」と命名しました。

 この手のかたちは手首だけ反らせて形を作ろうとするのではなく「肘」も曲げて、腕全体が丸くカーブを描いているようにします。それで、この手の形をとって、約3分間、静止状態を保ちます。


 

   
 イラスト1  イラスト1’
[BACK][TOP] [HOME] [NEXT]