鶴と蛇と太極拳
転の章

 
 1 白鶴亮翅はなぜ右足で立つ

 

 太極拳をこれまでに学んで、練習しているあなたに三つ目の質問をします。
 
 「白鶴亮翅はなぜ右足で立っているのでしょうか?」

 この質問は、実際に太極拳を練習したことのない人にはもちろん、何のことかわからないでしょう。少し説明する必要があります。

 太極拳には、それぞれの動作に美しい名前がつけられています。この本では簡化24式太極拳の套路に従って説明していきますが、一番最初の勢には「起勢(チーシー)」次の勢には「野馬分ぞう(イエマフェンゾン)」そして、三番目の動作が「白鶴亮翅(バイホーリャンチー)」です。

 この勢の定式、つまり、動作の完成姿勢では、下のイラストのように右手を上に、左手を下にして、右足に重心をかけて立っています。

 この勢には逆の、つまり、左右が逆になった、左手を上げ、右手を下し、左足で立った形はありません。それはなぜでしょうか?という質問です。

                                                                                                                          
白鶴亮翅
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