引き締める要点

    

 まず大きく見て、体の前面は「陰」で弛みやすく、後側は逆に「陽」縮みやすいということでしたね。それによってさまざまな病気が発生し、老化が進行します。ではどうすればいいでしょうか?

 つまり、そうした緩んだ場所を引き締め、緊張している場所を緩めてやる必要があります。ここで紹介する基本エクササイズは、体を整えるための基本であると捉えてください。それぞれ独立させて生活の中で実践していただければいいでしょう。

 1 首と肩の引き締め

 首の部分はとても大切です。赤ちゃんの首がすわると両親はホッとします。首はネック(neck)です。頭部と胴体をつなぐ結び目、ノッド(node)です。

 首の前面が弛むと、顎が前に突き出てしまいます。その状態は、多くの現代人の基本姿勢になってしまっています。マラソン選手が顎を出して走っていたら、もうその選手はリタイヤ寸前だということを示しています。完走したとしても良いタイムは期待できません。

 首が前傾してその状態で生活していれば、首の後ろや肩の部分の筋肉に「於血」が溜まって、頭痛や肩こりの原因になります。

 また、首の後ろや肩の肩甲骨のあたりの筋肉は、常時緊張状態が続いています。逆にいつも猫背の姿勢で胸を締め付けて呼吸が浅くなっている人も多いですね。

 このエクササイズでは、首と肩のストレッチと引き締めを繰り返します。この運動は座っている時でも、立っているときでも実践できます。デスクワークで緊張した肩をほぐすのは仕事の能率を上げるためにも必要です。

 実践法 「亀のエクササイズ」

  1.  まず、両手の親指を曲げ、次に残りの四本の指をまげ、しっかり握ります。するとイラスト8のような「握固」という手になります。 
  2. 下向き加減にして、顎を胸に近づける。同時に、頭頂を上方に引き上げるようにする。この動作を行いながらゆっくり息を吸い込む(吐く)。すると首の後ろが上方に引っ張られ、肩は下に向かってリラックスします。
  3.  ゆっくり後頭部を下に向けていき、後頭部がほとんど首の後ろにくっつくほどに曲げる。この動作を行いながらゆっくり息を吐く(吸う)。顎は上に引っ張られ、喉が軽く伸びるようにする。そして同時に、両肩を耳につくほどに上げる。
  4. 力まないようにしながら、この一連の動作を12回ほど繰り返す。
握固(あっこ)
イラスト7 イラスト8 イラスト9 イラスト10 イラスト11
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