重力に対抗

 コップの中に泥水を入れて放置しておきます(イラストA)。最初のときは不透明だったコップの水は、数分もすると重い泥が沈殿し、コップの上のほうの水は透明になってきます 。中間は半透明の泥水でしょう。つまり、比重の重いものは下に、軽いものは上に自然に分かれてくるのです。

 この地上に生息する生物は、大気圧と重力の影響の下に生きています。そして人間の体はすでに説明したように、他の生物よりもこの重力に対して、ダメージを受けやすいのです。

 人体の重い要素、つまり細胞で作られた肉体は、骨格も各内臓も重力の法則を四六時中しっかり受けています。

 若いころはその重力に対抗して内臓は正しい位置にしっかりと収まっていますが、老化が進むにつれて、内臓や皮膚は垂れ下がってきます。

 画家が若者と老人を描きわけるときは、どうするでしょう。たとえば、イラストBはどう見ても若者ですね。イラストCは老人ですね。若者を描くときは目じりを上げ、あごを引き締めます。それに対して老人は目じりを下げ、あごをたれさせればいいのです。

イラストA イラストB イラストC

 しかし、こうした重力の影響で、内臓を下垂させないためには、どうすればいいでしょうか?

 無重力の空間に行けば内臓の下垂はありませんね、しかしそれは無理です。また、無重力空間で生活していると、人体は弱くなります。まず骨がもろくなり、筋肉が衰え、血行が悪くなります。ですから、重力は健康な人体にとって必要不可欠なのです。

 それでは重力に対抗して健康な体を維持するにはどうすればいいでしょうか?

 沈殿したコップの水をかきまわせば、また全体が不透明の水になりますね。それと同じ事をするのです。

 つまり、日々、コズミックダンスで大切な内部筋肉をトレーニングして、内臓が下垂しないように、血液が沈殿しないように全身をケアしていくこと、それを続けていかなければいけないのです。

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