「気」のコントロール



 何か物を探して手にしたいときは、それに見合った労力が必要です。探したものが見つかっても、それを手にするためには、その場所まで行って、拾い上げるか、誰かに頼んで届けてもらうか、何らかの道具や機械の助けを借りてそのものを手にすることができます。

 しかし「気」は、まず、どこにあるだろうと探す必要がありません。なぜなら、・・・どこにでもあるからです。「気」がここにあると思えばそこに「気」があります。「気」は注意を向けることによって、注意を向けた場所に強く集まります。そして、この不思議な性質のために、しばしば「気」ということに対して拒否反応を示す人が出てくるのです。

 「気」のボールで説明したように、イメージを描くことによっても「気」を利用することができます。それは心のはたらき、つまり心の目を利用した「気」の集め方です。

 心の目を使ってイメージを描くことが苦手な人は、肉体的な目を使って、自分の体の一部を見ればいいでしょう。

 じっと手を見ます。見ることによって目から手に「気」が放射され、手に圧力感を感じます。すると、しばらくするとその手がジンジンしてくるでしょう。それは手に「気」が集まり、手に血液が流れ出したためです。

 「気」そのものは目に見えませんが、皮膚感覚で理解することができるのです。えっ?それは「気のせい」ではないかって・・・いえいえ、それが「気」の感覚なんです。

 穴の開くほど見つめるという表現がありますが、敏感な人は他人から見られても「気」の圧力を感じることがあります。

 慣れてくると、目で見なくても、ただ手に注意を向けただけで「気」を集めることができます。

 強く感じるためには、漠然と「手」と思わないで、「右手の人差し指」と思います。つまり、注意を向ける場所を限定するのです。すると、右手の人差し指が特に強くジンジンしてきます。これが「気」のコントロールのワンステップです。「気」はただ注意を向けるだけで集まるのです。

 次にその注意を向ける場所を少しずつ移動します。人差し指の次に中指、薬指・・・」という風に。するとそのジンジンする感覚が移動していきます。これは、もう「気」をコントロールして動かしたということです。

 頭というと頭に、足の裏というと足の裏に「気」は移動していきます。この「気」のコントロールは訓練していくと限りなく発達します。背骨の一つ一つにも注意が向くようになるでしょう。

 
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