誰にも聞けない太極拳の疑問


第三章 中心軸とは何?




「天の中心軸」と「地の中心軸

   

 太極拳の套路を一通り学んだ人は、この中心軸を探す努力をする必要があります。

 人体の「中心軸」とは、まず、一般に、頭頂(百会)と会陰を通り、身体を貫く「垂直線」です。「正中線」または「センター」と呼ばれることもあります。

 しかし、これだけではありません。独楽の軸はごくシンプルにイメージできますが、人体は独楽に比べ、段違いに複雑です。「太極拳は独楽である」というときの中心軸はそれではありません。
 
 イラストのように、体の中ではなく、鼻先にあります。体のすぐ前を垂直に走っています。体重をややかかと側にかけて両腕を丸くして立つことによってこの軸が意識できます。

 これを「天の中心軸」名づけます。一般に知られている軸は、「地の中心軸」とします。「無極とう」で大切なのは「地の中心軸」です(これは独自のネーミングです)。

 それに対して、「太極とう」では、「天の中心軸」を意識する必要があるのです。

 「真理は目と鼻の先にある」と、古人が表現しています。





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