誰にも聞けない太極拳の疑問


第六章 「気」とは?




2 探す必要はない
 
 
     

 
 
  「気」という存在を、常識的な感覚ではどうしても信じられません。「気」はものではないからです。

  何か物がなくなった場合、たとえば、ペンをどこかに置き忘れたとします。「ペンをどこに置いたのかな」と探しますね。探して出して見つけなければ、ペンはなくなってしまいます。

 ペンを見つけたら、それを拾わなければ「ペンよ来い」と命令してもペンを手にすることはできません。
 
 それに対して、「『気』はどこにあるだろう」と探す必要はありません。どこにでもあるからです。「気」よ来い!と命令すると、「気」は命令どおりに集まってきます。

 「気」は空間に遍満する「フリーエネルギー」です。「気」は無料です。所有権がありません。物体の中に自由に出入りします。「気」を閉じ込めることはできません。
 
 私たちの体は、その空間に遍在する「気」と同じものを、充電器のように体の中に濃縮化して保持しています。

 「気」はすでに自分自身の体に存在しており、それこそが生きる力、「生命力」なのです。

 しかし、すでに所有している「気」を私たちは、太極拳の練習を通して、さらに求めていかなければいけません。

 

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