誰にも聞けない太極拳の疑問


第九章 「簡化24式」は初心者の套路?

 

4 不思議なひねり

 今から三十数年も前のことですが、このようなイラスト入りのテキストを見ながら套路を覚えていきました。
 
 最初のうちは当然ですが、このイラストに何の違和感も不思議も感じませんでした。しかし、2〜3年ほどたって簡化太極拳になじんできたころ、これらイラストのうちの一枚の片足立ちの特殊性に気付きました。

 下のイラストをよく見てください。顔は右の手首のあたりを見ています。体重を乗せた右の膝は正面やや左斜め方向に向き、それに対して左足は進行方向に向けられています。

 そのころ私はこの不思議なひねりを何度も真似してみました。以外にムヅカシイのです。
 
 そして、簡化太極拳を練習している人は、この「不思議なひねり」をどうやっているんだろうと、周りの練習者の形を観察するようになりました。大会の表演なども見たりして、このような姿勢をとれる人は一部の指導者以外、皆無だということを知りました。

 現在、私は教室で太極拳を指導している時、繰り返しこの部分を説明しているのですが、うまくできる人が本当に少ないのです。
 

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