1 虚領頂勁とは その2

 「虚領頂勁」とは固まったものととらえてはいけません。「虚領」、つまり首筋を固定しないで、脱力し、二つの「頂勁」を使うのです。「「頂勁」には二種類あります。

 1 漏らすように息を吐きながら顎を緩め、「前頂穴」が上にに引っ張られるようにすること
 2 会陰を引き締め、顎を引きながら息を吸い「後頂穴」が上に引っ張られるようにすること


 この動作を何度も、繰り返し行ううちに頭頂部「百会穴」が開きます。「開く」というのは「気」のルートに気が流れ始めるということです。

 「百会」は体の中心を会陰まで通っている「衝脈(しょうみゃく)」の開口部です。「百会」を開くことによって、衝脈が通ります。「一脈通ずれば百脈通ず」という一脈が衝脈なのです。

 百会が開いたらその状態で、そのまま立っていることを試してみてください。「無極とう」の至福の境地を味わえるはずです。

 ただし、まだ、この姿勢の注意点だけでは動けませんから、太極拳動作を理解するためには、「含胸抜背」やその他の姿勢の注意点が必要になります。
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