第一章
  2 なぜ肩がこる? 

 
  
 さあ、正直に答えてください。あなたは「肩こりですか?」という質問に「いいえ」と答えられますか。たかが「肩こり」ですが、肩コリは病気の一歩手前、「未病」です。病気ではありませんが、「健康体」ではありません。

 しかし、「肩こり」を完治させる「薬」はありません。貼って「スッとする」ような治療薬はありますが、効果は一時的なものでしかありません。

 ではなぜ、「肩が凝る」のでしょうか?コリのある部分の筋肉が縮こまっているためです。なぜ、縮こまるのか、それは人間が「直立歩行」を始めたためです。本来、両腕は「前足」だったのです。犬や猫は「四足」ですが、犬や猫には「肩こり」はありません。もちろん、犬や猫に聞いたわけではありませんが。

 動物の前足は体重を支えていて、前足がしっかり仕事をしているからです。直立した人間は本来、犬やネコと同じ「哺乳類」ですが、両手が「体重を支える仕事」を放棄してしまったのです。手の仕事はもっぱら、「持つ」こと、「つかむ」ことを発達させました。

 体重を支える仕事は、もっぱら両足が担当するようになりました。その結果、両腕の「伸筋」を働かせることがなくなり、それが「肩こり」の原因なのです。ですから、肩こりを治す「薬」は両腕の伸筋をしっかり働かせるようなトレーニングをすることなんです。

 
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