第一章
  8 曲がらない手の実験
 
 

 「手に汗握る」という表現がありますが、頑張ろうというときに私たちはつい手を握ってしまいます。手の指先を握りこむと、体は屈筋優位の体になります。
 
 頑張ろうとすればするほど知らず知らずに両手を握りしめ、体全体が縮こまってしまいます。体が縮こまると自分は一生懸命頑張っているのですが、その努力が報われず力強さが失われてしまうのです。

 それは簡単な実験で理解することができます。二人で試してみましょう。

 まず、あなた(Aさん)は片手をしっかり握りしめて「拳」を作り、その拳を前方にしっかり突き出して、立っています(イラスト7)。

 次にBさんは、Aさんのその突き出した腕を肩に背負って、両手をかけて、Aさんの肘を押さえて折り曲げてみましょう(イラスト8・9)。

 意外にあっけなく、BさんはAさんの腕を曲げることができたでしょう。 
 
    
イラスト7  
   
 イラスト8  イラスト9
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