第一章
  12 アドヴァイス
 

 「虚領頂勁」は「虚領」と「頂勁」というふうに二つに分割して理解すべきなのです。このような動きがなくて、首を「虚」にして「頂勁」することはできません。

 丁度、うなずくときのような動作になりますが、顎をひくときに首の後ろが伸びますね。これが「頂勁」です。それからその引き締めた力を緩めます。すると、その時、首をファンソンしたのです。首が「虚」になっているでしょう。それが「虚領」です。慣れてくると、この動作だけで「気沈丹田」できるようになってきます。

 後頭部の盆の窪のあたりを別名、「神口(かみくち」)という呼び方があります。神様の口です。この神口のあたりを伸ばして開くようにするのです。表にある人間の口は軽くとじます。人間の口がだらしなく開いていれば、知的能力にも、運動能力にも悪影響が及びます。表情も、間抜けに見えます。

 普段首は動かすことが意外に少ないのです。同じ姿勢を続けていると、首の周りにある筋肉が緊張してしまいます。その結果慢性的に首のコリに悩まされることになります。首のコリをそのままに放っていると、首のコリは肩のコリにつながり、肩が凝れば、ファンソンを理解するどころではありません。

 首はネックです。大事な場所です。首はのど・・・ノッド(node)というと、つなぎ目とか、中心点という意味ですね。

 太極拳はタオそのものです。タオ(道)はシンニュウに首という文字で作られています。タオの教えを学ぶときは首を無視できません。
 
 もしもあなたが首や肩に凝りを感じているのなら、これを毎日、5分ほどトレーニングすることをおすすめします。

 この練習で、頚椎七つの椎骨が自然に牽引され、それを日々練習することで首のコリが和らぐでしょう。短い時間でも、スマホやパソコン作業の合間に行うことをおすすめします。 
     
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