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当然ですが、本来太極拳は「武術」なのです。武術とは敵との攻防戦です。「太極拳経」など、古い太極拳のテキストにあるように、「力を用いず敵を制する」という大切な目的があります。 では試してみましょう。誰か、あなたの友人に手伝ってもらいましょう。 1 A(あなた)は、足を肩幅に開き立っています。 2 B(友人)に、あなたの両手をしっかり握ってもらいましょう。 3 さあ、それではあなたはいつも練習している「起勢」の要領で両手を持ち上げてみてください。 これは力比べではありません。腕をひねって上げようとしたり、力任せに姿勢を崩して持ち上げようとしてはいけません。上体は直立姿勢で両手を上げることができるか、あなたがいつも太極拳を練習しているときのように、両手を上げてみてください。 「起勢」は、ほぼ多くの套路に共通です。もしも両手を上げることができないとしたら、あなたがいつも練習している太極拳動作はどこかに欠陥があるはずです。さあ、どうすれば、両手を持ち上げることができるのか? 「一手教えましょう」という言葉があります。将棋の世界にも碁の世界にも、または合気道の世界でも、上級者と初心者は大きな隔たりがあります。初心者がいくらあがいても上級者には勝てません。それは明白に技術の差が存在するからです。 上級者(老師)は初心者(弟子)を引き上げるために「一手」を教えます。すると、初心者は確実に一歩技術を向上させることができるのです。初心者がそうした教えを受けることがなければ、とても長い期間、遠回りをしなくてはいけないでしょう。 私が上級者と認められるかどうかはわかりませんが、これまで37年間太極拳を追求してきた経験から、「陰陽の腕」という一手を紹介したいと思います。 |
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