エピソード2  左右の理解

 

 ある日、4~5名ほどのいつものメンバーが、いつものように代々木公園で練習をしているとき、兪さんは、私たちに不思議なことを教えてくれました。
 
 「皆さん、足は肩幅に開いて立って、左に向いて、ハイ、それから右に向いて。」
と言いながら、兪さんは何度か、上体を左に向け足り、右に向けたりしました。左に向くときは両掌を前方に向け、右に向くときは、その手のひらを軽く握って両手の功を前方に向けました。

 「ほら、左を向くと体が弛むでしょう、それで、右を向くと締まるでしょう?」と、意味不明なことを教えてくれました。私たちはそれを聞いて、その通りにやってみたのですが、その意味するところを理解することはできませんでした。

 ただ、私は、「ああそうか、なるほど、ネジの法則なんだな」と一人でわかった気になっていました。
 つまり、ネジは右に回すと閉まり、左に回すと弛むようなものかなと思ったわけです。しかし、当時はそれほど「ピン!」と来たわけではありませんでした。

 太極拳の教えでは、そのことは「左顧右眄」という言葉で教えられている大変重要なことだったのです。

 左を向いて体が弛み、右を向いて体が締まることはありません。つまりそのような動作を理解し、その法則道理に体が動くようにトレーニングしなければいけないのです。
   


 
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