鶴と蛇と太極拳
起の章

 
 5 背骨のカーブ

 腰痛や、肩こり、内臓下垂など、生活習慣病の原因は直立姿勢に原因があるといわれます。

立った時、背骨は自然なカーブを描いている状態です。私たちは誰でも、この姿勢で生活しています。

人体の背骨は一本のつながった骨ではなく、頚椎七個、胸椎十二個、腰椎五個の椎骨と、それに仙骨、尾骨という骨がつなぎ合わされて作られていますが、イラストAのように、頚椎も、胸椎も、腰椎も、さらに仙骨尾骨も緩やかなカーブを描いて波型につながっています。

このカーブには意味があります、人が歩くときなどに頭の中の「脳」に振動を伝えないためのクッションのような役割を果たしているのです。

しかし、このような直立姿勢で長い間生活するうちに、首や、肩や、腰特定のか所に常に過度の負担がかかり、その結果、背骨が歪み、神経系統を圧迫して、内臓の正常な働きが失われていきます。

整骨の先生は、背骨に触って、的確に患者の内臓の健康状態を診断します。それは、背骨と各臓器が関係しているためです。つまり正しい姿勢を身につけるのは、健康のためでもあるのです。

普通の直立姿勢は、図Aのように紙をたわめた状態であるということができます。

イラストA 図A
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