鶴と蛇と太極拳
起の章

 
 10 紙を丸めて立てる 



 何か、重いものを押すとか、引っ張るとか、支えるとかの「力仕事」をするときは直立姿勢では行えません。自然に、膝を曲げた中腰の姿勢をとるはずです。

 野球で、敵の打者がバッターボックスに入っている時、外野手が棒立ちになっていることはありません。中腰で守備の姿勢になります。いつボールが飛んできても、即座に対応ができるように構えて待っているのです。

 「站とう功」の姿勢は、そのようなスポーツの構えの姿勢と同じです。その状態をある一定時間維持するのです。

 その姿勢は、図Bのように紙を立てた時の状態であるといえます。薄っぺらの紙も、この用に丸めて立てることによって、しっかりと立つことができますね。
 
体もこのように立つと、背骨は中心軸よりも大きく後ろに下がり、背骨にかかる負担が減りますから、健康の面から考えても望ましい立ち方なのです。

 


                                                                                                                          
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