鶴と蛇と太極拳
結の章

 

 8 ワンポイント・アドヴァイス
 

 上体をやや前に傾けて、両手を胸の位置より下に下げて、その状態をしばらく保っていると、両手の指先がジンジンしてきて、はれぼったいような感覚が起こるはずです。

 それは両手が心臓より下になると、自然に血液が流れてくるからです。ですから、両掌はすぐに真っ赤になり、温度もあがってきます。

 同時に、掌には「気」も流れていきます。両手の間には10センチほどの間隔があるにもかかわらず、両手はつながっているような、不思議な圧力感を感じるでしょう。

 次に、上体をややのけぞらせて、両手が目の高さになるようにしてしばらくすると、両手のはれぼったさが消え、温度もやや下がってきます。

 それは、両手が心臓よりも上になったので、血液が心臓にもどっていったためです。しかし、「気」は両手にしっかり残っており、両手の周りに感じられるはずです。これは「陰気」です。このエクササイズの間は「陰気」は無視します。

 両手を上にあげたときは「陽気」が胸に下がっていくと感じようとしてみてください。そして、両手を下げたときは、両手の先まで「陽気」が流れていくと感じてみるのです。

 このエクササイズが8の字を理解するための土台作りになります。
  

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