図形講座

その7 天地同量
 図25
 

 シンプルなこの図形は、実に多様に変化させることができ、この中から太極拳に必要な多くの理解を得ることができます。

 変化していっても、「基本的理解」は変わりません。

 上の円が「天」を表す円、下が「地」の円です。その二つの円は同じ大きさです。それを昔の表現で、「天地同量」といいます。

 太極拳でそれを説明すれば、「天」とは、腕に、「地」とは足に当てはめることができます。

 すでにお分かりでしょうが、この図形の理解は固定させてとらえてはいけません。この図形は、物事を「全体として」とらえるためのものです。
図26
 人間も哺乳類で、犬や猫と変わりありません。もともとの体形は、両手も両足も、「同量」に全身の体重を支えていたのです。ところが、「知能」が発達することで、両手が、地面から離れ、体重を支える仕事から解放されました。

 もちろんこれは「進化過程」に生じた変化で悪いことではありません。それで両手が「天」に両足が「地」に別れたのです。

 しかし、手は「知的」な働きに従事して、「体重を支える」はたらきを忘れてしまいました。そこで、両手は軟弱になり、「武術的な強さ」が分からなくなってしまったのです。

 人体の中心である「丹田」がはたらかなくなったのも、手と足が同量でなくなり、バランスを保てなくなったためです。

 武術を理解するためには、もう一度、手が足と同じような「支える」力を回復できるようにトレーニングしなければいけません。そうすれば、丹田は自然に中心に作られます。人体で「丹田」が太陽系の「太陽」なのです。

 図26は 右手と左足が同じ力で、「全身を支えあっている」ことを表しています。


 
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