図形講座

その8 方位と図形

 図27
 

 天円相地方形(てんえんそうちほうぎょう)という古い教えがあります。・・・なんて言っても、まず、皆さんほとんどわかりませんよね。

 まず、簡単に言えば、「天は丸く、地は四角い」ということになります。
 
 そう言っても、やはり何の事だか・・・

 まず、前方後円墳を思い描いてください。一般に、前方が「方形」で後ろが「円」のお墓という意味です。

 つまり、天皇のお墓とされている古代の遺跡群です。ある学者が、この名称は、間違いであると言っています。「天円地方墳」でなければいけないと。

 円相とは、「円形」ではありません。丸い形ではなく、丸く見えるということ、天とは宇宙、自然を意味します。太陽も月も星もみんな丸い。

 太極拳の先生が、「丸(まる)」というとき、天円相を意味しています。体は決して丸くはありませんが。太極拳を表演する老師の動きは、丸く見えるのです。

 手や足の軌跡を注意してみると、確かに曲線を描いているのがわかるはずです。

 円形は、始まりも終わりもない自然本来を意味します。しかし人間は、その自然を分割して、言葉をつけるのです。つまり、その人間の理解が四角の意味するところです。

 ですから、老師が、その太極拳の動作を生徒に教えるときは、まず、四角く、一点、一画をしっかり教え込みます。
図28  
 「方」または「方形」とは、正方形というように、角ばった「形」です。
 まず、正方形と理解してください。まず正方形の理解が必要です。

 その出発点は方位です。正しく太極拳を表演するためには方角がしっかり意識されていないといけません。

 京都の街は正確に東西南北を意識して作られています。
これが「地方」の意味です。

 「君子何面ス(くんしなんめんす)」と言われるように、南が正面です。君子とは「聖人君子」というように理想的な人格者を言います。

 表演者は北を後ろにして、南を向いて立つのです。
図29
 西洋にもこの四角い理解があります。

 トランプゲームの四つのマークも、なんとこの方位の理解を持っています。

 スペードは東です。東は「風」でもあります。クラブは南、南は「火」です。ハートは西、西は「水」です。そしてダイヤは北、北は「地」です。

 スペードは、「スウォード」剣です。「剣で風を切る」と覚えてください。

 クラブは「こん棒」です。「こん棒が燃えている」と覚えましょう。

 ハートは「カップ」「カップに水を入れる」のです。

そしてダイヤは「コイン(お金)」「お金で土地を買う」と覚えましょう。
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