太極拳の弓歩の形で、壁か、何かを押してみましょう。 普通の感覚では、押す力は後ろ脚からです(イラストA)。確かに力強く押すことはできますが、もしも、壁がなくなったら、押している人は、勢いよく前方につんのめってしまうでしょう。 そうではなく、後ろに延ばした足は安定をとるために床を抑えているだけで、体重をしっかりかけた前の足で、地面を抑えつけている力で壁を押すのです(イラストB)。 前の足に100パーセント体重を乗せるというのはそういう意味です。 もしも、押している壁がなくなっても体重を崩すことなく立っていられるように立つのです。