誰にも聞けない太極拳の疑問


第四章 左右対称でないのはなぜ?




1 白鶴亮翅はなぜ右足で立つ

     

 
 さあ今度は四つ目の質問に移ります。「太極拳の動作はなぜ、左右対称ではないのか?」という質問です。

 この疑問は太極拳の本質を突く、大変鋭い疑問ですが、さあ、長い間太極拳の練習をしていたあなたは、このような疑問を抱いたことはあったでしょうか。

 たとえば・・・
 「白鶴亮翅はなぜ右足で立っているのでしょうか?」

 太極拳には、それぞれの動作に美しい名前がつけられています。一番最初の勢には「起勢(チーシー)」次の勢には「野馬分ぞう(イエマフェンゾン)」そして、三番目の動作が「白鶴亮翅(バイホーリャンチー)」です。

 この第三勢の定式、つまり「白鶴亮翅」の動作の完成姿勢では、イラストGのように右手を上に、左手を下にして、右足に重心をかけて立っています。

 この勢には逆の、つまり、左右が逆になった、左手を上げ、右手を下し、左足で立った形はありません。それはなぜでしょうか?という質問です。


イラスト38

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