誰にも聞けない太極拳の疑問


第四章 左右対称でないのはなぜ?




5 体の左右の違い  

     

 
 

 まず、簡単に説明すると、太極拳の動作は、身体の左右の違いに従って、作られているということです。

 人体は左右対称にできているようですが、じっくり調べていくと、微妙に違いがあることに気づくでしょう。

 あなたは、自分の体の左右のアンバランスに気づいていますか?

 たとえば右目と左目がアンバランスで、左目が二重で大きく、右目は一重で小さくいとか、顔の左半分が右半分に比べて明らかに面積が広いとか、笑うときに、口の左側が大きく引きつれると感じるなどです。

 あなたはおそらく、何らかの形で、意識しているのではないでしょうか。

 もしも、意識されていない方は、今、改めて、鏡で、自分の顔をじっくり観察してみてください。・・・おそらく自分の顔がアンバランスだということは理解されたでしょう。

 しかしその顔のアンバランスは、偶然だと、まず、普通は考えるでしょう。

 「確かに、私の眼は左が二重で、右が一重であるけれど、そんなことに重要な意味なんかない」と。

 この顔の左右のアンバランスには法則があるのだと言えば、あなたは驚かれますか。

 左右の目のアンバランスを一言で表現すれば、「右目は細く(横長)強い印象を与え、左目は、右目に対してややぱっちりしていて、優しい印象を見る人に与える」ということす。

 このことは、俳優やモデルはかなり意識していて、写真にとられるときは、左側から撮ってほしいと、カメラマンに要求することもあるのです。
 
 左利きの人も右利きの人も、共通に心臓は左にあり、各臓器は左右アンバランスですね。同様に、表面的には左利きの人も、右利きの人もいるわけですが、もう少し深いところでは、ほぼ例外なく共通した「左右の違い」があるのです。




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