誰にも聞けない太極拳の疑問


第六章 「気」とは?




6 気功の六段階  

     

 

  気功はただがむしゃらに練習しても効果は上がりません。階段を上るように、「気」を鍛えていかなければいけません。

 気功の六段階を説明しましょう。それは三段階に分かれます。

一段階 瀉(しゃ)

 「瀉」とは捨てるという意味です。「気」を鍛錬する始まりはまず、体の中に滞っている「邪気」を排出することから始めます。「気」をいっぱい取り入れれば健康になれるわけではありません。

 「瀉」のプロセスは、やや早めに、リズミカルに手足を動かすことです。よく知られた方法は、「スワイショウ」です。両手を振って体に巻きつけるようにするのが太極拳を練習する多くの人が実践する気功です。

 私の教室では練功の最初に「シェイク」といって全身を震わすエクササイズを行います。

 大きく見ると、サッカーや野球や、バスケットやすべてのスポーツのトレーニングは「瀉」の要素がほとんどです。若いころに「精力」が有り余っている人にはそれだけでも効果がありますが、ある年齢になると、「瀉」の要素だけでは、ただ疲れるだけで、効果的ではありません。「瀉」だけではしゃーないと覚えてください。では何が必要なのか、つぎの「補」です。「補」でほっとします。

補(ほ)

 「瀉」の気功を一定時間行った後に、そのエクササイズを止めます。ただ、立って何もしません。二章で紹介した無極とうで立てば、それがもっとも簡単な「補」です。

 体の中の邪気を吐き出して、静かにしていると自然に新鮮な気が入ってくるのです。これを「無為自然」といいます。

 何もしないことが「気」を高めることなのです。では、気功をしなければ「気」が高まるのか?いえいえ、まず、瀉で体を浄化した後に動きを止めるのです。

 初心者の気功は、ただこの一段階目の「瀉」と「補」があれば十分です。「一陰一陽これ気功なり」です。

 

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