誰にも聞けない太極拳の疑問


第六章 「気」とは?




7 気功の六段階その2  

     

 
 一段階目の「瀉」と「補」は初心者のための気功ですが、何年練習して一段階目が卒業ということはありません。この一段階目の上に、中級者の気功「運」・「定」が必要になります。
 
二段階 運(うん)

 「運」とは、巡らすということです。」つまり、「気」を意識的に動かしてしていきます。「気」は、注意の向いたところに集まります。ですから、「手」に注意を向けると手に気が集まってきます。

 まず、どこか一か所に「気」を集め、それから、少し離れた場所に注意を移動します。たとえば、「手首」です。すると、手首に「気」の集まった感覚が起こります。

 こうして、少しずつ、注意を向ける場所を移動していくのです。

 この「運」にあたる気功は呼吸と合わせて「気」を胸に集めたり、お腹に下ろしたりする方法があります。また、「小周天」という瞑想法として行うこともできます。

 「気」を巡らすことは、慣れてくれば、歩きながらでもできます。太極拳の実践者は太極拳の練習の中で「気」の運行を練習していく段階もあります。

定(てい)

 「定」とは一か所に「気」を集めて、その状態を一定時間維持することです。いろいろなツボや、丹田に注意を向けて「気」を一か所で強化していくのです。

 「気」は集める肉体の場所によって働きが変わります。頭頂の「百会」に「定」すれば、「虚領頂勁」の感覚(頭頂が軽く持ち上がる感じ)が実感できるはずです。

 太極拳実習者は「下丹田」に定することが必要になってきます。最初はたんとう功の中でその感覚をつかみます。それから次第に、動きながらその状態を維持できるようにしていくと、太極拳の各勢の意味していることが体の感覚としてわかってきます。

 

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