誰にも聞けない太極拳の疑問


第六章 「気」とは?




8 気功の六段階その3  

     

 
 三段階目は、上級者の気功です。この段階に進めるかどうかは本人次第です。一段階目、二段階目の気功を毎日着実に実践していくことによって個人的につかむことができる段階です。

三段階 化(か)
 
 
「化」とは気功を実践していって、「気」に対する感覚や、肉体の健康度や、技術がレベルアップしていくことです。「気」は濃縮化して「勁力(けいりょく)」に変わります。

 二段階目までの気功を一年練習すれば、一年の「化」が得られます。10年練功を積めば10年の「化」です。

 ただし、練習が不規則だったり、誤った練習を続けたり、「気」を浪費することが多いと、年月がたってもそれにみあって発達しないこともあります。

発(はつ)

 「発」とは周囲に「気」を放射する力です。「気」を強化して持っている人は、「発」する意識がなくても自然に周囲に「気」を放射しています。そんな人のそばにいると、とても安らいだ気持ちになります。その人は手から、「気」を発しなくても、「気」の不足している人に自分の有り余っている「気」を分けてあげることができます。

 「発」のできる人は当然「畜」、つまり「気」を集める能力も高く、「気」を失うことがなく、いつも疲れ知らずです。

 太極拳の「発勁」とは体のどの場所からでも敵の攻撃に対して、「勁力」を発して防衛、反撃することができる技術です。

 ただ、「発」の能力が高くなればなるだけ、套路の「発勁」動作はゆっくりと行うようになります。格闘技である太極拳をゆっくり練習するのは、太極拳の套路がそうした技術を獲得した達人達の作り出したものだからです。

 ですから、三段階目に至り、「気」の充実した体になれば、太極拳の動作は歩くのと同じくらい簡単になります。

 以上が気功の六段階です。



 

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