誰にも聞けない太極拳の疑問


第七章 呼吸はどうする?
 




2 腹式呼吸とは 


 しかし、まず腹式呼吸について説明しましょう。

 腹式呼吸とは、まず、息を吐くときにお腹を強くへこませ、息を吸うときにそのへこんだお腹が大きくなるように呼吸することです。

 呼吸法の先生は、「空気をお腹まで深く吸い込んでください。」と指導しますが、当然ながら、空気はいくら効果的におなかを膨らませても、お腹に降りてくることはありません。

 どんな呼吸法を実践しても、空気は肺にしか入りません。では、なぜ、お腹をへこませたり、膨らませたりするのでしょうか?

 それは、横隔膜を大きく上下させるためです。

 横隔膜とは、肺と心臓のある胴体の上部と残りの臓器のある下部を隔てる膜です。

 私たちが普段無意識に行っている呼吸は、浅い呼吸で、あまりお腹を意識することはありません。浅い呼吸は、肺の上部だけで呼吸していて、肺の下部はあまり働いていません。

 それに対して腹式呼吸は、お腹をへこませたり、膨らませたりして肺の全体を働かせて呼吸する方法です。ですから、一回に吸い込む力、肺活量はアップします。

 

 

 [BACK][TOP] [HOME] [NEXT]