誰にも聞けない太極拳の疑問


第七章 呼吸はどうする?
 




「起承転結」


 
 このことは、昔から「起承転結(合)」と教えられていました。

「起承転結」というと、四コマ漫画を思い出すでしょう。

 「起」というのは、お話の出発点です。漫画家は読者を引き付けるためにどんな出だしにするか知恵を絞ります。

 たとえば、ひとりのオジサンが歩いているコマから始まるとしましょう。

 ただそれだけでは面白くありませんから、そのコマの中に、次のコマにつなげるための伏線が用意されています。そう、たとえば、コマの端っこにバナナの皮がさりげなく描かれています。

 「承」のコマは、その「起」のコマをうけてストーリーが展開します。

 たとえば、「起」で用意された伏線、ちょっと感のいい読者なら、ああ、こうなるのではないかと思わせるような展開が用意されています。つまりバナナの皮をオジサンは踏んでしまいます。「承」はこのようにお話が進展していくのです。

 そして「転」のコマは、バナナの皮を踏んだオジサンが ツルっと滑って、大きく一回転して宙に舞います。思わない展開になってきます。そんな大事にはならないと思ったのに、このままでは、オジサンは大けがをしてしまうと誰もが想像するでしょう。

 さあつぎの「結」のコマが、この四コマ漫画を面白くするか、つまらなくするか決まるコマです。漫画家は知恵を絞って考えなくてはいけません・・・

 大けがをして救急車で運ばれるのではと思いきや、そんのオジサンは、空中で三回転半して、両手を広げて、かっこよくピタッと着地しました。オジサンの背広がはだけて金メダルがかけられているのが見えます。そうです、オジサンは金メダリストだったのです。

 ・・・私のアイデアではあまり読者を喜ばせることはできないかもしれませんが、まあ、これが「起承転結」のパターンなのです。

 


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