誰にも聞けない太極拳の疑問


第八章 太極拳でホントに強くなれるか?
 




3 急がば回れ 



 それに対して、太極拳の練習では、そのような敵との攻防戦を練習するよりも、ゆっくり套路を通して練習していきます。

 それが太極拳練習の本質であり、とても大切なことです。つまり「太極拳は独楽(こま)である」という表現は正にその本質を表しています。

 たしかに「推手」という、手を合わせて二人で練習する方法もありますが、相手の重心を崩して自分が優位に立つことが練習の目的で、決して投げ飛ばすことは練習しません。

 最初、太極拳の練習で、純粋に意味を知らせないで動きだけを練習させることにも重要な意味があります。敵を想定して動くと、初心者は体が力んで、「太極の力」つまり、「陰陽虚実」の法則がつかめないからです。

 まず、太極拳を学び始めて少なくとも数年間は、急がば回れで、意味のわからない太極
拳の動作をひたすら練習していくことも悪くないないのかもしれません。


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